ワンちゃんがいるご家庭と考えたいペットフレンドリーなお庭②

人生を豊かにしてくれる「ガーデニング」と「ペットのいる暮らし」。趣味の域を超えた生き方そのもの、という場合も少なくないかもしれません。犬と一緒に暮らすという生活文化自体に馴染みの薄い日本ですが、犬や猫を室内で飼育する割合が増え、今や人とペットとの距離感はより近くなっています。今回はペットと過ごすお庭について、ワンちゃん目線を意識しながら考えてみたいと思います。
「ドッグラン」とは?
「ペットガーデン」とは?
わが家でも、子どもたちの遊び相手として、そして思いやりを学ぶ経験になればいいなという願いもあり、友人のドッグトレーナ―〈犬のおじさん〉から生後3か月のトイプードルを迎えました。「お庭もあることだしちょうどいい!」と簡単に考えていましたが、まず「毎日家の庭で遊ばせるのも、ドッグランに行くのもあまりよくない」と教えられました。というのも、飼い犬に縄張り意識をつくらせないためだそう。来客に対して過度に警戒して吠えたり、反対に自分が外に出ることを怖がる原因は犬に芽生える縄張り意識だというのです。そして子犬時代にドッグランをすすめない理由は自分より大きな犬に追われる、という恐怖を経験させないためだそう。そんなわけで、クレートトレーニングと同時に、毎回なるべく違う場所へ出かけて散歩をしたり、駆け回って遊ぶようにしたので、3歳になった今ではお出かけを楽しめる犬に育ちました。けれども身近なわが家の庭は近くて便利で魅力的です。そこで愛犬が喜ぶ優しいお庭づくりについて独自に知りたくなりました。「ドッグラン」が思い切り駆け回ったり、犬同士・飼い主同士のコミュニケーションの場だとしたら、身近につくりたい「ペットガーデン」はどんな場所でしょう。
ワンコのお庭の楽しみ方と
飼い主のお庭の楽しみ方
犬のおじさんはドッグトレーナーとして犬の社会化をサポートします。飼い犬たちが良い『家庭犬』となるよう、犬と飼い主を教育し、時には社会に対して理解や変化を訴えたりもしています。そこではじめて耳にした『家庭犬』という言葉に妙に惹かれます。犬には本来備わった習性がありますが、人に従い働くという役割や目的のために改良が重ねられてきた結果、現在の犬種によるさまざまな特徴が現れています。犬を家族に迎え入れる際にはその犬種による性格を考慮すると思いますが、さらにそれぞれの犬が人と同じように個性を持っているそうなのです。『家庭犬』として社会で愛される犬へと育てるには飼い主の犬理解や学びが不可欠、ということを教えてもらっています。「かわいがる」を「一緒に遊ぶ」に置き換えるよう意識しつつ、調べたり試したり、何度も試したり…とにかく試行錯誤の連続です。
ここで犬の基本習生を調べてみました。
・忍び寄る
・群れの追い集め
・穴を掘る
・クンクン活動(臭跡追求)
・捕獲・殺生
・嘔吐
・かじる
・草を食べる
・獲物を持ち歩く
・獲物を守る・埋める
などなど。犬としての自然な行動ですが、確かに室内では我慢させられがちです。これらの習性や、個性に応じたエネルギーを十分に発散し、自然からの刺激をたくさん味わえるような場所があれば、きっと幸せでしょう。そんな場所がお庭として身近にあれば理想的です。同時に、犬中心で考えすぎると、人にとっては快適ではないかもしれません。まずは住まいに寄り添う環境調整の機能として。そして飼い主の心が落ち着く場所であって欲しいものです。お庭を愛犬とともに楽しむためには、人と犬、それぞれのニーズを整理してデザインしていくことがポイントとなりそうです。
ペットのために知っておきたい
お庭でよく見る有害植物
『ガーデン×ペットライフ』で気になったのが植物の毒性についてです。お庭があって、後からペットを迎えるケースも多いので慌てるかもしれません。毒と薬は表裏一体といわれ、使い方次第で毒にも薬にもなるという考え方が一般的です。生活から完全に取り除く必要があるわけではなく、知識を持っておくことがまず大切とのこと。お庭で人気の植物の毒性の一例を挙げてみます。
スイセン【ヒガンバナ科・多年草/鱗茎に有毒/嘔吐下痢・循環器】
クリスマスローズ【キンポウゲ科・多年草/全草(特に根)に有毒/皮膚粘膜・嘔吐下痢・循環器】
チューリップ【ユリ科・多年草/鱗茎に有毒/循環器】
ヒヤシンス【ユリ科・多年草/鱗茎に有毒/皮膚粘膜】
プリムラ【サクラソウ科・多年草/全草に有毒/嘔吐下痢】
ラナンキュラス【キンポウゲ科・多年草/全草に有毒/皮膚粘膜・嘔吐下痢・循環器】
スズラン【ユリ科・多年草/全草に有毒/嘔吐下痢・循環器】
アマリリス【ヒガンバナ科・多年草/球根に有毒/嘔吐下痢・循環器・肝・腎】
アヤメ【アヤメ科・多年草/根茎に有毒/嘔吐下痢】
ジキタリス【ゴマノハグサ科・多年草/全草に有毒/嘔吐下痢・循環器】
ケマンソウ【ケシ科・多年草/葉・茎に有毒/嘔吐下痢・循環器・神経・呼吸麻痺】
アセビ【ツツジ科・常緑小高木/全体に有毒/嘔吐下痢・循環器・神経】
アザレア【ツツジ科・常緑小低木/葉・花に有毒/皮膚粘膜・嘔吐下痢・循環器・神経】
トウダイグサ(ユーフォルビアの仲間)【トウダイグサ科・多年草/全草に有毒/皮膚粘膜・嘔吐下痢・神経】
カラー【サトイモ科・多年草/草液に有毒/皮膚粘膜】
シャクナゲ【ツツジ科・常緑低木/全草に有毒/神経】
アジサイ【ユキノシタ科・落葉小低木/蕾に有毒/嘔吐下痢・神経】
フジ【マメ科・つる性落葉木本/全体に有毒/嘔吐下痢】
アサガオ【ヒルガオ科・一年草/種子に有毒/嘔吐下痢・循環器・神経】
ロベリア【キキョウ科・一年草/全草に有毒/嘔吐下痢・循環器・神経・呼吸麻痺】
セイヨウキヅタ(アイビー)【ウコギ科・つる性常緑木本/葉・果実に有毒/皮膚粘膜・嘔吐下痢】
ほかにも、タマネギ、ジャガイモ、ヒガンバナ、トリカブト、ヨウシュヤマゴボウ、イヌサフランやイラクサ、シキミなど毒性がよく知られた植物は畑や野山にも数多く存在しています。
ほかにもあるある、
ペットの身近に存在する毒
まずは室内の観葉植物の一例。
シクラメン【サクラソウ科・多年草/全草に有毒/嘔吐下痢・神経】
アンスリウム【サトイモ科・多年草/草液に有毒/皮膚粘膜】
カラジウム【サトイモ科・多年草/草液に有毒/皮膚粘膜】
フィロデンドロン【サトイモ科・多年草/根・茎・葉に有毒/皮膚粘膜・猫に腎毒性】
ストレリチア【ゴクラクチョウ科・多年草/全草に有毒/嘔吐下痢】
ポトス【サトイモ科・多年草/草液に有毒/皮膚粘膜】
モンステラ【サトイモ科・多年草/草液に有毒/皮膚粘膜】
ポインセチア【トウダイグサ科・常緑低木/茎・葉に有毒/皮膚粘膜・嘔吐下痢】
ゴムノキ【クワ科・非耐寒性常緑広葉高木/茎・葉(樹液)に有毒/皮膚粘膜・嘔吐下痢・呼吸麻痺】
さらにペットにとって危険な毒は植物に限りません。
・スズメバチ
・ヘビ(特にマムシ)
・ヒキガエル
・チャドクガ …
ほかにも普段使っている殺虫剤や防虫剤、薬、洗剤、電池、チョコレート…などなど。私たちは室内外を問わずたくさんの毒性に囲まれ、またそれを利用しながら生きていることも改めて意識しておきたいですね。
ペットガーデンを楽しむ
お庭づくりと過ごし方のアイデア
①スペースを分ける
愛犬と飼い主それぞれの活動や動線を敷地の条件に沿って考えます。
〈ワンちゃんの遊ぶ場所〉走り回る、掘る、においを嗅ぐ、日向ぼっこ、トイレなど、犬の発散の場。
〈飼い主のための場所〉植栽スペース、たい肥置き場など、飼い主が好きな植物を育てたり趣味を楽しむ場。
〈ワンちゃんと家族が一緒に過ごせる場所〉テラス、水回り、日よけ…など、家族でくつろぐことができる場所。
体格に合った排泄スペース、穴を掘ってもいい場所、などを決め、入っては行けないエリアには柵や低木で生け垣をするなど、物理的に区切るとワンちゃんにもわかりやすいです。
②ルールやマナーを教える
スペースの区切りを設けた上で、入ってはいけない場所を教えていきます。ダメ、や悪い時は恐ろしい表情や不快な音などを使って、良い時は喜んでいっぱい褒めます。犬は少し間があくと何で怒られているか、褒められているのか忘れてしまうそう。良い・悪いを理解させるにはその行動の直後に行うのが重要です。トイレの場所を決めたら、はじめはリードをつけ連れて行って排泄を促し、できたら褒めるを繰り返します。待て・おいで、など基本的なルールを短い時間ずつトレーニングしましょう。
③一緒に外に出て遊ぶ
少しの時間でも一緒に遊ぶ時間を持つことで信頼関係が深まります。ワンちゃんだけを外に出し一人遊びをさせているとルールが曖昧になるだけでなく、危険やいたずらに気が付かない場合があるので要注意です。訪問者に過度に吠えないようにするためには、たまに人を招き、一緒に遊ぶ経験をさせ、人が来る=悪くない、と教えていくのも大事なようです。
まとめ
犬との暮らしは思った以上に努力と行動、忍耐力が必要です。しかし家族にとっても大きな変化をもたらしてくれるかけがいのない経験にちがいありません。人種・国籍どころではなく、犬という全く別の動物としてたった一匹でわが家にやってきてくれた、と考えるととてもすごいことです。窓辺に陣取り庭木を眺めている犬の姿は可笑しくもあり、愛おしく感じます。ペットフレンドリーなお庭とは、愛犬やペットが自然の刺激を感じながら育ち、生まれ持った力を発揮できる場所。そして家族と信頼関係を築いていく場であるといいな、と思います。庭仕事をしていると、リラックスした表情で見つめてくるわが家の愛犬。室内でも姉弟たちと賑やかなやり取りを繰り返していますが、なかなかいい関係になりつつあると思っています。まだまだ家族全員に努力も必要ですが、よそでもお庭でも、一緒に遊んだり過ごしたりとたくさんの経験を楽しみたいと思っています。
参考資料/ペットガーデン 命を育む庭づくり
上野博昭 著 株式会社グリーン情報 発行
/伴侶動物が出会う中毒
ー毒のサイエンスと救急医療の実際ー
山根義久 監修 チクサン出版社 発行
SANPOHとMERRYの公式ブログ
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お庭をつくるアイデアブック』は
毎月おおよそ22日に更新していきます。
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