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今さら聞けない 正しいお庭のお水やりのこと

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「水やり三年」!?
お水やりの正解ってなんだろう?

「水やり三年」こんな言葉を聞いたことがありますか?簡単そうなお水やりも、マスターするためには少なからず修練が必要、という意味の言葉です。たしかに水の管理は奥深く、植物の育ちにとって意味ある重要な作業だなと感じます。個々の植物の特徴を理解する上でも、園芸の修行でまず叩きこまれる仕事です。無関係のようですが、適切な水管理は病害虫の予防に効果があったり、時には思わぬハプニングにつながってしまうこともありえるのです。真夏並みに気温が上がってきた今、お水やりの感覚がいまいちわかりにくかったり、方法やコツ・タイミングが気になっている方も多いと思います。3年と言わず、失敗を重ねながら時間をかけて、加減を掴んでいくものだとは思いますが、ここで改めてお庭のお水やりの意味、やり方について考えてみましょう。

植物の成長と水の関係
知っておきたい植物の育ち

そもそも植物にはなぜ水が必要なのか?植物の育ちと水の関係について整理します。


1.「光合成」と水
~光合成には潤沢な水が欠かせない~

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光合成とは植物が葉の表面にある気孔から吸収した二酸化炭素と、根から吸い上げた水を原料に、光エネルギーを利用して炭水化物を合成し酸素を放出する活動のこと。光合成により植物は成長することができます。もし、根から十分な水分が吸収されず、植物の体内が乾燥した状態になると、葉は水分を失わないように気孔を閉じ備えます。すると葉からの二酸化炭素の取り込みができず光合成はストップ。つまり成長もストップ。

2. 「蒸散」と水
~根の回りの水分は生育に影響大~

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蒸散とは植物の水分が主に葉の気孔などから水蒸気の状態で放出されること。蒸散により熱が奪われることで葉の温度を下げることができ、風通しを良くするとより蒸散が促され葉温が下がります。植物はこの働きで体温調節をしています。もし、蒸散量が根からの吸水量を上回れば植物体内の水分が減り、葉は水分を失なわないよう気孔を閉じます。植物は体温調節ができない上、二酸化炭素の取り込みもできず、光合成もストップします。


3.「呼吸」と水

~過度な水分、根の酸欠にはご用心~

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植物は光合成(二酸化炭素を取り込み酸素を排出)と同時にエネルギーを得るために呼吸(酸素を取り込み二酸化炭素を排出)も行っています。ここで土中の酸素が不足していると根の呼吸の速度が落ち、水分・養分の吸収が上手くできません。すると代謝がスムーズに行かず植物全体が発育不良に。常に湿っていたり、水はけが悪い土の状態にも注意が必要です。水の与えすぎもまた、良くないのです。

お水やりの基本とヒント
植物の育ちを応援するために

自ら水分補給ができない植物は天候頼み。成長のしくみを理解して、お水やりでお庭の育ちを手助けしましょう。土の表面が乾いたら、植物の根元に十分水を染み込ませるイメージで、やさしくたっぷりと与えるのがポイントです。

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ヒント1.季節

春夏/多くの植物の生育期。高温、日差しや風が強い日も多く、光合成や蒸散が活発。時には朝・夕2回のお水やりが必要に。
特に葉の大きい植物は水分がたっぷり必要。葉先が丸まったり、枝先がうなだれていれば水不足かも。
ゲリラ的に雨が降っても水の量は十分ではないことも。

秋/残暑が厳しい間は引き続きたっぷりと。
雨が続き、朝夕の気温が下がるとともに徐々に間隔をあけて。

冬/植物の生育は穏やか。基本的には降雨任せに。やや乾き気味に管理することで植物は土中深くの水分・養分を求めて根を深くしっかり伸ばします。
植え付け直後の植物、鉢植えなど、土が乾いていたら日差しの暖かい日中にたっぷりお水やりを。
冬の夕方は水分が凍結し根を傷めるため不適。

ヒント2.時間帯

/◎。
光合成が活発になる日中までが一番水分を必要とする時間帯。

/真夏は✖。冬なら◎。
水の急激な蒸発や強い日差しで葉や花が蒸れ傷みやすいため。
冬のお水やりは明るく気温が高い時間帯に。

夕/〇。
夜間は光合成が行われず、蒸散も穏やか。朝まで土が湿りっぱなしの状態が続くのを避けるため夕方のお水やりはできるだけ明るいうちに。

お水やりタイムを豊かな時間に
ながらお水やりのススメ

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ただこなすように、一様に水を撒くのではなく、
〈ホース片手にお庭パトロール〉を日課にしてしまいましょう!
朝なら1日の始まりの挨拶を兼ねて。天候やスケジュールを確認しつつ、乾いた場所に水を与えましょう。植え付け直後や花が開いたりと変化の最中にある植物には、充実した日になるよう祈りながらたっぷり水を与えます。健康な印象の植物には「今日も素敵だよ!」と、水のかわりに声をかけてあげてみてください。
夕方ならば、感謝のひととき。一日を振り返り、明日はこうしてみよう!と誓いながら目の前で育つ植物にもねぎらいの気持ちで水を与えてみてください。こうしていると植物も打ち解けてくれるのか、必要な水の量や手入れまでわかってくるような気がしてくるものです。
「おしゃれなお庭」をつくることは、植物が喜ぶ良い環境をつくることとほぼ同じことではないでしょうか。お水やりを退屈で面倒な作業だなんて思わずに、植物を応援して、応援されて…とっておきの時間を味わってほしいです。


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